この8年、毎月おこなっていた山入り制作。
今回、初めて断念しました。
それも、出発の朝に…泣。
理由は複数ありましたが
決定打となったのは出発前夜に起きた、
ある事件でした。
その事件とは直接関係ないけれど
実は肩をこわしてしまい、
ここ1カ月ほど
日常生活に支障が出るほどの痛みがあったので
少し心配していました。
(現在リハビリ中)
また、いつもなら注文の翌日に発送される
お得意さんからの絵の具の到着が
2週間先となってしまったり、
台風の関東接近日が帰りの日にかかる
予測があるなど、不安材料もありました。
そして普段なら数日前にはおこなっている
画板への水彩紙の水張り作業も、
前日夜にずれ込んでしまっていました。
そんな出発前夜、
水張りの準備のため刷毛の箱を開けたら
その事件が起きていたのです。
なんと
刷毛がカビだらけに…( ;∀;)
先月あまりにも忙しく、
制作現場で洗って持ち帰ってきた刷毛を
乾燥させていないままの状態で
しまい込んでしまっていたみたいです…。
道具はいつも大切にしていて、
そのようなことは、この8年、1度もありませんでした。
しかも、最近買い足したばかりの
高価な大型の刷毛の被害が大きく、
かなりの衝撃を受けてしまいました。
すぐに剥離洗浄のできる銀イオンの天然洗剤で洗ったところ、
カビは落ちたものの
柄の部分の木の奥まで入り込んだカビまでは取れませんでした。
刷毛の毛も大量に抜け落ちてしまったので、
たぶん、使うそばから毛の抜け落ちてしまう状態で
絵画制作に使うにはもう難しいと思います…。
いろんな意味で大きなショックを受け、
山入り制作のことを考えるのにも時間を要しました。
総合的に判断して、
出発日の朝に山入りを断念したのですが
気づいたことがいくつかありました。
・山入り制作することが「ねばらならぬ」になっていて、
毎月欠かさず行くことに執着していたこと。
・今までなら極限まで自分を追い込んで責め立て、
どん底にハマるほど落ち込んだり
感情的になってしまったりしていたところを、
衝撃はありつつも冷静に動いたり判断できたこと。
(家族にも驚かれました)
もし、あのまま強行していたら、
重い荷物を運んだり
現地でハードな制作生活を行ったりして
さらに肩を傷め、
取り返しのつかないことになっていたかもしれないし、
帰りに台風に遭遇して酷い目に遭ってたかもしれません。
絵を描く大事な刷毛は最悪の事態に陥りましたが、
直前にそのようなことでもない限り
きっと山入りしてしまっていたと思います。
制作中止には勇気が必要でしたが、
仕事を始め、やることが山積している上
家族へのサポートも必要な状態だったので
今はよかったと思っています。
いつも思うのですが、
こうした大きな出来事が起こった時の判断は難しく
表裏一体となっているのを感じます。
それらの出来事を超えてまで行く必要のある
「お試し」の時もあれば
今回のように止められている時もあるように思います。
それらを見極めながら
これからも最善の方向へ進んでいきたいです。
ありがとうございます。